【日常系漫画】スーパーの裏でヤニ吸うふたり|レビュー

こんにちは、アシカです!
今回は、静かに胸を打つ日常系癒し漫画『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』をご紹介いたします。

仕事終わりのひととき、ふと足を運んだスーパー。その裏手でこっそり交わされるタバコと会話。
中年サラリーマンと、スーパーのレジ係との“他愛もないけれど大切な時間”が、物語の中心となっている日常系漫画となっています。

この記事は下記のような方にオススメです。

▪️何気ない日常を楽しみたい方。

▪️癒しを求めている社会人の方

▪️キャラクター同士の駆け引きや“からかい”が好きな方。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』はどんなお話?

主人公は、どこにでもいるような中年サラリーマン・佐々木さん
彼の一日の癒しは、仕事帰りに立ち寄るスーパーの「二番レジの山田さん」の笑顔を見ること。

ある日、タバコを吸いたくて店の前に立ち寄った佐々木さん。しかしそのスーパーは全面禁煙。吸えずに立ち去ろうとしたところ、裏口でこっそり喫煙していた女性店員・田山さんに声をかけられます。

そしてふたりは、仕事終わりの“スーパーの裏”で、一緒にタバコを吸うような仲に――

しかしここで驚くべき事実が判明します。
実はその田山さん=山田さんだったのです!

つまり佐々木さんは、レジの彼女(山田さん)と、裏で煙草をくゆらせる彼女(田山さん)――同一人物と気づかないまま、別人として接しているという、絶妙なズレが本作の魅力となっています。

この関係を「面白がって」いるのが、他でもない田山さん(山田さん)自身。
彼女は自ら正体を明かさず、佐々木さんとの関係を揶揄いながらも大切にしている、そんな二人の関係性に憧れます。

魅力・見どころ

①日常の中のささやかな“癒し”が詰まっている

本作『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の最大の魅力は、二人の何気ない日常が描かれている点です。

物語の舞台は、華やかな世界ではなく、日常のすぐ隣――スーパーの裏口。
主人公の佐々木さんと田山さん(山田さん)が、仕事終わりにその場所でこっそりタバコを吸いながら交わすのは、ごくありふれた雑談や何気ない会話ばかりです。

天気の話、仕事の愚痴、なんでもない冗談。
でも、そんな“ただの会話”の中に、読者は次第に癒やされていきます。

現代社会は、いつも時間に追われ、目まぐるしく変化する日々の中で、つい自分のペースを見失ってしまいがちです。
効率や成果が重視される一方で、「何もしない時間」や「誰かとただ一緒に過ごすだけの時間」は、どこか贅沢なもの、あるいは無駄だとすら感じられてしまうこともあるでしょう。

しかし本作では、そんな世の中の価値観とは真逆のような“無駄で意味のない時間”こそが、何よりも贅沢で、心を癒してくれるものとして描かれています。

スーパーの裏という、誰の目にもつかない場所。
そして、レジ係とサラリーマンという、特別な関係性ではないふたり。
だからこそ、彼らの関係には肩書きや義務もなく、ただただ「今、この瞬間」を大切にする純粋さがあります。

「恋人でも、友達でもない」
「毎日会うわけでも、深く踏み込むわけでもない」

そんな曖昧でゆるやかな関係性が、むしろ現代の人間関係に疲れた私たちには心地よく映るのです。
読み進めていくと、不思議とこちらの心までゆるみ、まるで自分もそのスーパーの裏に座って、一緒に煙をくゆらせているような気分になります。

この作品には、派手なセリフ回しや劇的な感動シーンはありません。
ですが、その静けさと丁寧な空気感の描写こそが、心に染み渡る深い魅力となって読者に届いてきます。

ただ一緒にタバコを吸う。
たったそれだけの行為が、こんなにも尊く、美しく感じられる――
そんなふたりの時間を、あなたもぜひのぞいてみてください。

②鈍感な佐々木さんと、小悪魔な田山さんの対比

本作『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』がここまで多くの読者に愛されている理由のひとつに、登場人物ふたりの性格的な対比と、その絶妙な関係性があります。

Screenshot
引用元:スーパーの裏でヤニ吸うふたり 1巻より

まず主人公である佐々木さん。
彼は一目で「真面目なサラリーマン」と分かる、実直で人当たりの良い人物です。
身なりも言動もきちんとしていて、何事にも控えめ。
人に迷惑をかけることを恐れ、職場でも波風を立てずに淡々と仕事をこなす――まさに「人畜無害」という言葉がぴったりの、良い意味で空気のような存在感を持ったキャラクターです。

そんな彼が密かに癒しを感じていたのが、行きつけのスーパーのレジ係・山田さん。
いつも笑顔で接してくれる彼女に、ほんのりと好意にも似た感情を抱きながらも、行動に移すことはなく、ただ遠くから眺めるだけ。
そんな奥手で慎ましい性格も、佐々木さんの魅力のひとつです。

一方で、物語のもう一人の主人公である田山さん(=山田さん)は、佐々木さんとはまるで正反対の存在です。
彼女はちょっぴり小悪魔的で、からかい上手
自分の正体を明かさず、あえて別人格として佐々木さんに接するその様子からは、イタズラ心と茶目っ気に満ちた明るさが感じられます。

ふたりは年齢も性格もまったく異なりますが、その“差”があるからこそ、会話ややりとりに面白みと奥行きが生まれているのです。

佐々木さんが緊張しながら煙草を取り出す横で、田山さんが何気なく冗談を飛ばす。
真面目に応えようとする彼の姿に、ますますからかいのスイッチが入る田山さん。
そんな構図が、読者の頬を緩ませ、「このふたり、ほんとにいいなぁ」と思わせてくれるのです。

また、田山さんのからかいには、どこか優しさと距離感のある愛情が込められています。
単なる悪戯ではなく、佐々木さんの緊張をほぐそうとしていたり、彼の反応を楽しんでいたり――
そこには確かに、人と人とが関わり合う中で生まれる“温かい感情”が流れています。

この正反対のふたりが紡ぐ、静かで心地よいコミュニケーションこそ、本作の核ともいえる魅力です。
激しい感情のぶつかり合いや劇的な展開ではなく、微妙な“ゆらぎ”や“間”の中にこそ、物語は深く息づいています。

そして読者はその静かな交流の中に、自分自身の“誰かとの関係”や“忘れていた心のやりとり”を重ね合わせていく。
だからこそ、読み終えたあとに、ほのかな余韻と温かさが胸に残る作品となっています。

登場人物

①佐々木さん

引用元:スーパーの裏でヤニ吸うふたり 1巻より

<キャラ紹介>
・真面目で控えめな性格の中年サラリーマン。
・スーパーのレジ係に癒される、心優しき日常人。
・煙草を通じて人と繋がる姿が、共感と温かさを呼ぶキャラクター。

アシカ
アシカ

佐々木さんは、仕事帰りにスーパーに立ち寄るのが日課の、ごく普通の中年サラリーマンです。
その姿勢は控えめで誠実。スーパーのレジ係・山田さんの笑顔に密かな癒しを感じつつも、話しかける勇気がないほど慎重で繊細な性格です。そんな彼が、ひょんなことからスーパー裏の喫煙所で女性店員・田山さんと出会い、静かに人と関わる喜びを知っていく過程が、読者の共感を誘います。

②田山さん(山田さん)

引用元:スーパーの裏でヤニ吸うふたり 1巻より

<キャラ紹介>
・レジ係としての「山田さん」と、喫煙仲間「田山さん」の二面性を持つ店員。
・からかい上手な一面と、繊細な気遣いを併せ持つ大人の女性。
・秘密を楽しみながらも、佐々木さんとの距離を大切にする“愛されキャラ”。

アシカ
アシカ

田山さん(山田さん)は、スーパーで働く若き女性店員。日中は柔らかな笑顔でレジに立ち、夜になると裏口でタバコをくゆらせる一面を見せる――そんな二面性のある魅力的なキャラクターです。正体に気づかない佐々木さんをひそかにからかいつつ、そのやりとりに温かな愛情をにじませる彼女の姿に、多くの読者が惹かれます。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』が好きな人にオススメの作品

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』が好きな方には、以下の作品もオススメです。

①ゆるキャン△

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』は、仕事終わりのささやかなひとときを描いた、癒しと軽やかな駆け引きが心地よい日常系ストーリー。派手な展開はなくとも、ふたりの静かな交流が読む人の心にじんわりと沁みる作品です。

そんな『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』が好きなあなたにオススメしたいのが、『ゆるキャン△』

女子高生たちが自然の中でキャンプを楽しむこの作品は、のんびりとした空気感と、焚き火や料理を囲む穏やかな時間が魅力。

キャンプという非日常の中で交わされる他愛ない会話や、人との適度な距離感が心を癒し、まるで『ヤニふた』の“スーパー裏のひととき”を彷彿とさせます。
静けさとぬくもりを愛する人にぴったりの一作です。

✅『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』ファンに刺さるポイント

🔹 静けさの中にある“癒し”の時間
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』では、喫煙中のたわいない会話が心地よく流れていきます。『ゆるキャン△』もまた、自然の中でキャンプを楽しむ少女たちが、焚き火を囲みながら交わす会話や静かな景色を通して、読者に深い癒しを与えてくれます。どちらも「何気ない時間」を楽しむという点で、まさに癒しの双璧です!

🔹 派手さを排除した、ゆるやかな人間関係
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の佐々木さんと田山さんの関係は、恋愛に発展しそうでしない絶妙な距離感が魅力。『ゆるキャン△』でも、女子高生たちの友情は押しつけがましくなく、それぞれのペースで育まれていきます。どちらも“心地よい距離感”を大切にしている点が共通しています。

🔹 誰かと過ごす“ちょっとした時間”の尊さ
どちらの作品も、特別な出来事がなくても「誰かと一緒にいる時間」こそが豊かであると教えてくれます。スーパーの裏でのタバコの時間も、キャンプ場でのおしゃべりも、何気ないからこそ心に残る――そんな優しい感覚を味わいたい人には『ゆるキャン△』が間違いなくオススメです!

②からかい上手の高木さん

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』は、仕事帰りの静かな時間に交わされる何気ない会話や、小悪魔的な揶揄いが心地よい、癒し系の日常ストーリー。
恋愛になりそうでならない絶妙な距離感が、読む人の心をじんわりと温めてくれます。

そんな『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』が好きなあなたにオススメしたいのが、『からかい上手の高木さん』


中学生の西片くんと高木さんの、からかい合いを軸にした青春日常コメディで、好きの気持ちをストレートに見せない駆け引きが魅力です。

放課後の教室や帰り道、ささやかな日常を舞台に、ふたりの関係が少しずつ近づいていく姿は、『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の佐々木さんと田山さんのやりとりとどこか重なります。
静かなやりとりの中に、笑いとときめきを感じたい方にぴったりの一作です!

✅『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』ファンに刺さるポイント

🔹 「からかう側」と「からかわれる側」の絶妙なバランス!
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』では、田山さんが佐々木さんに正体を隠したまま軽く揶揄うやりとりが見どころ。一方、『からかい上手の高木さん』でも、高木さんが西片くんをからかう構図がメイン。どちらも相手の反応を楽しみながらも、内心では大切に想っているという「ツン」と「優しさ」の絶妙なミックスがたまりません!

🔹 恋愛未満の、甘くてくすぐったい関係性
どちらの作品も、明確に恋人になるわけではないけれど、距離が近づいたり、心の動きが見える瞬間にドキッとさせられます。見守りたくなるふたりの関係性に、自然と笑顔になれること間違いなし!

🔹 シンプルな日常の中にある特別な時間
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』がスーパーの裏で交わされる日常を描くように、『からかい上手の高木さん』も放課後や授業中など、普通の風景の中に“ふたりだけの世界”を作り出します。派手な演出はなくとも、一瞬の表情やセリフに心が動く、そんな作品を求める方にピッタリです!

③佐々木とピーちゃん

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』は、仕事帰りの静かなひとときに交わされる会話や、小悪魔的なやりとりを通じて、じんわりと心が癒される日常系ストーリー。
恋愛未満の絶妙な距離感と、何気ない関係性の変化に心が温かくなる作品です。

そんな『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』が好きなあなたにオススメしたいのが、『佐々木とピーちゃん』
平凡なサラリーマン・佐々木が、不思議な文鳥・ピーちゃんと出会い、日常と異世界を行き来するファンタジー要素を含んだ物語です。

一見ファンタジーに見えても、本作の魅力は日常の中に非日常が静かに入り込んでくる心地よさと、ピーちゃんとの交流を通して少しずつ変化していく佐々木の姿にあります。
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』同様、キャラクター同士の温かなやりとりや、穏やかな成長を見守る喜びが詰まった作品です。

癒しとちょっとした変化を求める方に、ぜひ読んでほしい一作です。

✅『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』ファンに刺さるポイント

🔹 平凡なサラリーマンが出会いを通じて変わっていく物語
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の佐々木さんが田山さんとの交流によって癒され、少しずつ心を開いていくように、『佐々木とピーちゃん』の佐々木も、文鳥ピーちゃんとの出会いによって日常が大きく変わっていきます。
共に「冴えない大人」が主人公でありながら、出会いをきっかけに前向きに変化していく姿が魅力的です。

🔹 日常の中に潜む非日常の面白さ
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』では何気ない日常会話の中に揺れる感情の変化が描かれますが、『佐々木とピーちゃん』では、そこにさらに異世界と魔法という非日常要素が加わります。
しかし、そのテンポやキャラの掛け合いはどこか「ほのぼの」していて、日常系好きにも心地よく馴染むバランスに仕上がっています。

🔹 キャラ同士の絆とユニークなやりとりが魅力!
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の佐々木さんと田山さんの静かなやり取りが微笑ましいように、『佐々木とピーちゃん』でも、佐々木とピーちゃんの掛け合いや、周囲の個性的なキャラたちとの関係が見どころ。
コメディ要素と心温まる成長の物語が同時に楽しめるのも、共通した魅力のひとつです。

『佐々木とピーちゃん』について、詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

まとめ

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』は、派手な展開やドラマチックな演出は一切ありません。
ですが、その静けさこそが魅力であり、喧騒に疲れた私たちの心を癒してくれます。

人生において、誰かとほんの少し「共に過ごす時間」が、どれだけ尊いか――
この作品は、そんなことを自然と教えてくれます。

「平凡な日常」の中に、ささやかな笑いと、ぬくもりを。

ぜひこの優しい世界に、あなたも一度、足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?

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